今月の講義体験談エッセイネットワークインフォメーションメールで相談室掲示板

  プロフィール

   わが家には現在、専門学校に通う21歳の息子がいる。早いもので春になったら社会人となる。父としてこれからの活躍を期待している。
 
    この息子の中学時代の話となるが、同級生の中に素行の良くない生徒が何人かいた。その子達は髪の毛を染めていたり、ズボンをだらしなくお尻のところで引っかけていたり、また授業の進行に邪魔を入れたりする生徒だった。一般にこのような子たちは問題児と見なされ勝ちである。
 
  私の息子は学校であったことを素直に、また細やかに話してくれる子で、たまに夕食を共にする時は学校での様子を窺い知る機会となる。ある日の話題が不良や非行の子の話に及んだ。
「そんな子たちと親しくしたらダメだよ。おまえもその子たちと一緒だと思われることに なるから……」
「あの子たちはどこもおかしくないよ。みんないいヤツだよ」
「でも、茶髪だろ!」
「茶髪とか目立つ恰好してるのは、何か認めて欲しいからなんだよ」
「そうかー……」
 私は表面上では分かったように答えていたが内心では、息子の言葉になかなか同意できなかった。どう見ても茶髪やだらしないズボンのはき方は感心できない、と思う親なる自分がそこにあったからだ。
 
 息子は野球部に籍を置いていた。放課後、部活に向かう時、例の茶髪君が声をかけてくれるそうである、「おぉっ、部活ガンバレよッ」と。息子は「オウッー」とか言って応えるそうで、それは何時ものことなんだそうである。
 
 息子と話していて気付いたことがある。彼は友だちのことを決して悪く言わないのである、「本当はいいヤツだよ」と。翻って自分はどうか、自分流の善を押しつけていないか。
 
   よく耳にする言葉に「子供の非行を防止するには、子供の目線に立って対等な関係で接することが大切である」と。息子の方が相手の善性を見ているのである。我が子に教えられた、同じ目線に立てと。


                                                                      (平成18年2月24日記)

 
++解説++

今月の講義体験談エッセイネットワークインフォメーションメールで相談室掲示板