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 プロフィール

  今から12年ほど前、私が青年会活動をしていたころの話です。
仕事を終え、帰宅したところ、知り合いの20代後半になるAさん(女性)が我が家に来て、妻と話をしていました。
 かなり遅い時間だったので何事かと思い、Aさんの話を聞いてみると、お付き合いしている男性の子供をみごもっていて、お互いに結婚を考えているが、Aさんの両親が大反対しているとのことです。
 相手の男性は何度もAさんの家を訪ね、両親に許しを請うのですが、会ってくれることはなく、結婚も認めず、みごもった子供も堕胎するように言われているということでした。
 
 同じ部屋にいて、テレビを見ていた娘(当時中学2年)に話の内容を聴かれると良くないと思った私は、Aさんの話の途中で、自分の部屋に行くように言いましたが、
「その話、さっきお母さんと一緒に聴いたよ。」
とあっけらかんとして言うので、娘の前でしたがそのまま話を続けてもらいました。

 実はAさんは私の家を訪ねてきたとき、玄関の前で大粒の涙をこぼして立っていたそうです、何事かと思い、妻が家の中に案内すると、娘がいるのもかまわず泣きじゃくりながらその話をしたそうです。
 このAさんは、高校生のころ、生長の家の青少年練成会に参加したこともあり、生長の家の教えを学んでいました。そのため堕胎が良くないことや、両親への感謝が大切なことは知っていました。それだけに自分がどうして良いか解らず相談に来たのでした。

 私は、「堕胎することは絶対に考えてはいけない。両親に感謝の祈りをすること。相手の男性の幸せを祈ること」など、生長の家で学んだ真理を伝えました。そして最後に、
「Aさんが生まれてきた子供をどうしても育てることが出来ないのであれば、私達がその子を大切に育てさせてもらうから安心するように」と話しました。
 するとようやくAさんは安心して笑顔を取り戻し、穏やかな表情で帰っていきました。
 その後、私は、Aさんとお腹の子供が今後最も良い状況になることを真剣に祈りました。またAさんの両親に対しても最も良い判断をしてもらえるように祈り続けました。
 それから数週間が過ぎたころ、残念ながらAさんは自然流産をしてしまい、その後、相手の男性とも別れてしまいました。(現在は別の男性と結婚され、子供も生まれ、幸福に暮らしているようです。)
 
 半年ほど経ったある日、娘が長電話をしているので、何事かと妻が聞いてみると、クラスの友達が妊娠したようなので、堕胎するために、みんなでカンパをしようという相談を受けていたのです。すると娘は、その友達(妊娠してしまった)に直接電話を掛けて、「堕胎は殺人と同じだから、絶対にしちゃいけない、どうしても育てられなければ、うちのお父さんとお母さんが育ててくれるから、絶対産みなさい」と言ったということでした。
 驚きとともに、これから起こりうることを頭の中で想像していましたが、今までにないくらい真剣に話していたという娘の様子などを妻から聞いた私は、「うちで育てさせてもらってもいいよね」と言って、妻と顔を見合わせ思わず笑ってしまいました。娘は先にAさんに話した内容をよく覚えてくれていたのです。
 結局その子は、妊娠していなかったため、我が家に子供がくることはありませんでしたが、この出来事は、娘と私達夫婦に、改めて生命の尊さを教えてくれることになったのでした。
                               (平成19年6月1日記)

                               

 
++解説++

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