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 プロフィール

  今年の春、小学校に入学した長女は、絵を描いたり、アクセサリーを作ったりすることは得意ですが、運動は苦手です。
 小学校の体育の時間では、マット運動、跳び箱、鉄棒などがありますので、娘のことを少し心配していましたら、ある日のこと、
「逆上がりができないよ。」
と言うではありませんか。
私は、結構スポーツは得意でしたので、
「えっ! 本当に。」
と、思わず、長女に落胆の表情を見せてしまいました。今にして思えば、小さな彼女の心は傷ついたと思います。
 私は日ごろから小学校の時はリレーの選手だったとか、野球では5番を打っていたとか、たわいもない自慢話を子供に聞かせていました。
 それも長女にはプレッシャーになっていたのでしょう。しばらくは鉄棒の話を家庭でしなくなりました。私もいずれ出来るようになるだろうと軽く考えていました。
 そしてある日、鉄棒のことを思い出して聞いてみるとやはり、「できない。」とのこと。
「クラスの半分の子は出来ないんだけどね・・・。」
と、語る長女は元気がないのです。
「ははぁ、きっと出来ないのは本当は数人だな。」
とピンと来た私は、前にあきれ顔をしてしまった自分を反省し、出来るだけ明るい表情をして
「必ずできるよ」と長女を励ましました。

 言葉だけではなく実践も大切と、私が帰宅した夜の9時から10時にかけて近くの公園で鉄棒の練習をさせました。
 前回の反省から私が心がけたのは、「こんなこともできないのか」と怒ったり、あきれた態度を見せないことです。

  私はそこで、野球で有名な野村克也さんの話しを思い出していました。彼は自著の中で、やたら精神論を振り回すだけの監督は失格で、「選手へのアドバイスは具体的でなければならない」と指摘しています。
 そこで、私は、娘の逆上がりをよく観察してみることにしました。すると、
@腕がまっすぐになっていて腹が鉄棒から離れている。
A地面を蹴る力が弱い。
という2点を矯正すればいいと感じました。
 
何度も取り組むうちに、出来ないながらも形が良くなっていくのが分かりました。本人も前と違って手応えを感じているようです。
「いいぞ。いいぞ。必ず出来る」などとプラス思考の言葉をかけ続けました。
そして「いい感じ」になった時に、あえて練習をうち切りました。長女は
「もっとやりたい」と言いましたが、「また明日」と自宅に引き揚げました。
 こうした夜間練習を一月ほど続けました。そしてある日、帰宅して玄関に入ると長女が飛び出してきて「学校で逆上がりできたよ!」と叫んだのです。
 その家族そろって喜びを分かち合った夜のことは、生涯忘れられないほどでした。

                                 (平成18年6月30日記)                              

 
++解説++

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