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プロフィール

 

 「三子の魂百まで」という言葉がありますが、子供は親の性格や行為をスポンジの様に吸収します。

 あるお母さんが相談に来ました。「うちの子供はせっかちで、落ち着きが無くて困るんです」 しかし、そのように話すお母さんを見ていると、何かそわそわしてるのです。子供は親の心をそのまま映し出す鏡だなぁ、とつくづく思いました。お母さんに原因があるのに、「落ち着きがない」と注意されている子供こそいい迷惑です。

 また、「幼稚園に通っている友達の中に、馬鹿とか死ねとか、好ましくない言動をする子がいて、困っている」とか、「評判の良くない先生が担任になったが、悪い影響を受けはしまいか」という様な相談を受けることがあります。

 皆さんはどのようにお考えになるでしょうか。私は次のように応えています。「どのような友達よりも、先生よりも、環境よりも、あなた以上にお子さんに影響を与えることの出来る存在はありません。誰かから悪い影響を受けるのではないかと心配するより、それに倍する素晴らしい影響を与えていれば大丈夫ですよ」と。

 「孟母の三遷」といって、孟子の母親は、子供を立派に育てる為に良い環境を求めて3回も引っ越しをしたという逸話があります。しかし、親が自分の心のあり方や生活を正していけば、わざわざ三遷する必要はないのです。親が普段からどんな思いを持ち、どんな言葉を子供に投げかけるかとうことが重要なのではないでしょうか。

 例えば次のようなとき、皆さんだったらどのように子供に応えますか。

 小学3年の三郎が、郵便受けに入っていた封書を持ってきました。三郎は封書の中にスタンプが押されていない切手を発見し、「やったー。お父さん、この切手、スタンプが押されていないよ。」と言って喜色満面でその封筒を持ってきました。その封筒を手に取り、よく見ました。確かにスタンプが押されていません。
 ………さあ、あなたはこの子のお父さんです。何を考えて何とおっしゃいますか?

(父親)やあ、これはラッキーだったね。また使えるね。上手にはがすんだよ。破かないように、水にしばらく濡らしておくといいよ…………。

 私が三郎のお父さんだったら、きっとこのように言うだろうと思います。

 しかし、次のようにおっしゃたお父さんがいたのです。

(父親)ちょっと見せて。ふーん、郵便局で間違ったんだね。(……と言ってお父さんは持っていたペンで切手に×印を書きました。)
(三郎)ああ、お父さん、何てもったいないことをするの! (父親)お前も分ると思うけど、この切手はもう役目を果たした切手だ。たとえスタンプが押されていなくても、これを使うことはできないんだよ。

 このような状況の時、私はこのお父さんのように、何のためらいもなく切手に×を書くことが出来るだろうか。子供がこんなに喜んでいるのだから、「それは良かったね」と言ってしまうのではないか、と思いました。しかし、駄目なものは駄目、社会のルールに添わない行為を見過ごすことは出来ない。これを何のためらいもなく、瞬時にはっきり示すことができたお父さんは、本当に素晴らしいお父さんだと感動しました。

(平成20年7月2日記)

          

 
++解説++

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