|
10年程前になりますが、6人いる子供のうち3人が地元の小学校に通っていました。ある時、妻が「うちは3人も子供が小学校にお世話になっているのだから、少しでも学校のお役にたって欲しい」という強い勧めがあり、PTA活動に首を突っ込むことになりました。役を引き受けた上はその責任を果たそうと、生活部長を始めとして、3年目から副会長を引き受け、キャンプや運動会などを通じて親子のコミュニケーションづくりを心がけてきました。
子供が中学校に進学すると、中学校のPTA活動に関わるようになり、PTA会長を引き受けることになりました。大禍なく過ぎた小学校のPTA時代と比べ、中学校では登校拒否をする子供、飲酒や喫煙で補導を受ける子供などがいて、難問が山積していました。そうした子供を抱えて心痛める親の姿を見るにつけ、こういった問題に真正面から取り組めないものかと思いました。
しかし、PTA活動は年度当初に決めた各々の部門での年間計画が設定されており、その行事をこなすだけで精一杯の状態でした。また、登校拒否児や非行問題に踏み込むことは学校のあり方や教師の批判にもなりかねないので、波風を立てずそれぞれの家庭の問題として対処するのがPTA活動のルールのようになっていました。
私も一歩踏み込むことに躊躇しましたが、こう思い直しました。PTA活動は本来子供たちの健全育成を目指すわけですから、子供に関わる問題は正面から取り組み、健全育成の環境作りをPTAの活動の一環として提言していかなければならないと。そして、子供たちは学校だけではなく家庭や地域社会の影響を大きく受けるので、学校、家庭、地域社会が一体となって問題解決に関わって行くことが必要である、と考えました。
そこで、子供の健全育成について、従来からあった、中学校とその校区内の3つの小学校の校長、教頭を含めた連絡協議会に、中学校区内の15町会長にも加わってもらい、中学校と小学校のPTA役員を含めた地域ぐるみの新しい協議会「子供を育てるネットワーク協議会」を立ち上げるところまで漕ぎ着けました。
しかし、こうした地域を巻き込んだPTA活動に反対の意見も内部にありました。ある父兄からは、「PTA活動は親同士の親睦を広めることを第一であり、子供の問題は家庭の問題で親のしつけの問題である。PTAが関わる問題ではない」と反対意見が出ました。これはPTA活動のコンセプトのくい違いでありました。
そこで私は「親睦を深めると言って宴会ばかりやっているのは、PTA活動とは思わない。色々の問題を抱え悩んでいる子や親の姿を横目で見ながら飲むお酒など美味くも なんともない。私はPTA会長として一人の不登校生徒も出したくない」と思いを語りました。その
父兄とは、会議終了後も夜を徹して話し合いました。最後には「分かった。全面的に会長に協力する。」と言って、私の強力なサポート役を買って出てくれました。
このネットワーク協議会の話し合いの中から、子供たちのための情操教育、安全を護る活動を実施していくことを決め、具体的には地域ぐるみの「あいさつ運動」などの取り組みが実現することになりました。不登校や非行などの多くの教育課題を解決していくためには、学校と家庭、地域の連携は欠かせません。このような横断的な仕組みが出来たこと意義は大きいと思います。またPTA会長として、父親として地域ぐるみの青少年の健全育成に貢献できたことをうれしく思っています。
(平成16年8月21日記)
|