|
長女が高校一年の秋頃、突然「卒業したら就職したい」と言い出しました。「勉強が面白くないので、進学までして勉強したくない」という理由でした。
ウッとつまりかけましたが、「それもいいんじゃない」と私は答えました。内心、高校卒業での就職が一番大変なのだから、短大か専門学校に行っておいた方が後々勉強の幅が広がって楽しいのにと思いました。しかし長女ははっきりした性格で、自分でこう
と決めたら貫くタイプであることを承知していましたし、私も彼女のそういう芯の強さを好ましく思っていましたので、無理して進学することを“説得”してもこじれるだけだと思い、暫く放っておくことにしました。
とは言っても、高校には一日も休まず通い、成績も悪くなかったので、「もったいないなぁ」と、喉まで出かかるのです。が、「放っとけ、放っとけ」と自分に言い聞かせ、家内とも暫く様子を見ようと話し合いを致しました。
すると高校二年の夏を前にして、長女は「好きな英語を生かせる航空関係の専門学校を見学したい」と言い出しました。私は願っていた通りの展開に、「それはいいね」とすぐに賛成しました。
暫くして、希望する専門学校に体験入学をして、推薦する学生寮に数日間宿泊してきましたが、どうやらこの頃には、進学へと希望が変わったようでした。
やがて高校三年になり、学校でも本格的な進学指導が始まると、「専門学校より短大に行きたい」と言い出しました。高校二年の三学期にたまたま見たアメリカ映画『チアーズ』に共感し、クラブ活動のある短大でチアリーダーをやりたいという希望を持ったのでした。
私は「それもいいねぇ」と賛同。5月の連休を利用して、いくつかの短大を長女と一緒に見て廻りました。そして志望校も固まり、秋にはAO試験(註1)で早々に入学が決まりました。
短大に進むと、少し遅れてチアリーダー部に入部して活躍を始めました。暫くすると副部長になっていました。二年生になった時に代々木第二体育館で開催された大会には、夫婦で応援にも行きました。
さて短大ですから二年生ともなるとすぐに就職活動が始まります。長女は国際空港での免税店に応募したところ、4次試験までクリアし無事合格致しました。また短大の入学案内パンフレットのモデルを頼まれたり、一年生向けの就職に関する説明会にも、頼まれてスピーチをしたそうです。
そんな報告を電話や手紙で聞く度に、長女を信じて、「放っとけ、放っとけ」と自分に言い聞かせた頃を懐かしく思い出していました。
(平成17年8月29日)
(註1)AO入試
(アドミッションズ・オフィス入試)とは、学力試験では評価することのできない出願者自身の人物像を学校側の求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせて合否を決める新しい入試システムです。
最近高校や大学で多く導入されています。
|