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プロフィール

  父親教室の原稿を依頼されて、改めて振り返ったのですが、私の子育てはこれといって何かをしているというものがないようです。子供に「こうしなさい」と強制することもありません。つまり自由に考えさせたり、行動をさせてきたように思います。

   どうしてだろうと考えると、私が大学時代に放浪生活を送った経験があるからだと思います。束縛されることが嫌いで、自由を求めた青春時代を過ごしてきたから、自分の子供に「こうしなさい」とか「そんなことはしてはいけない」と言いたくないのだと。

   当時の私は、唯物主義的で、「人間はひとりで生まれ、ひとりで死んでいく」という虚無的な考えに陥っていました。しかしその反面では、物質の縛りから解放されたもっと自由な世界に憧れていたのです。やがて人生の意味に行き詰まり、東京の大学に在籍中、片道の旅費だけを懐に入れて、ひとり沖縄に放浪の旅に出ました。バイトで宿代を稼ぎ、給ったお金でギターを買い、空いた時間に好きな歌を歌うようになりました。沖縄で知り合った仲間から「絶対売れるから歌手になれ」と言われ、その気になって東京に戻りました。自作のテープを持ってライブハウスを回り、高円寺(杉並区)の店で歌っていたこともありました。

   学業を放り出して、こんな生活をして親に心配ばかりかけていた私でした。ですから、そんな私が、子供に対してとやかく言う筋合いはないというのが本音のところです。また、私の当時の生き方を真っ向から反対するわけでもなく、例え世間から見たらアウトローであっても、最後まで私を信じ続けてくれた両親の子育てを見習っているともいえるかも知れません。

   先日、私たち夫婦は19回目の結婚記念日を迎えました。そこで、私は家内に「指輪」をプレゼントしたのです。ところが、なんと指のサイズが合わず、翌日の夕方、今度は家内と二人で「指輪」を購入した店に行き、結局は家内の好きなデザインの指輪と取り替えてもらうことになりました。夫として結婚記念日をスマートに演出しそこねましたが、家に帰って事の顛末を包み隠さず子供たちにも聞かせました。子供達はこんなやりとりを見て、とりあえず夫婦の仲は良さそうだと安心しているようです。

   私に父親としての役割があるとすれば、夫婦が仲良くすることだと思います。すると子供も明るくなり、私たち夫婦の親も喜ぶ。こうして私たちは親孝行ができ、親子三代の関係がうまくいくと自然に子育てもうまくいくのではないか、こう思うのです。
   ついでに私の放浪生活は、その後、生長の家にふれることで人生の意義を見い出し、「さよなら」することになりました。(平成16年10月3日記)
                  

 
++解説++

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