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 プロフィール

  現在は札幌で一人暮らしをしている娘との間で今でも印象に残っている出来事があります。それは娘が小学3年生の時の出来事でした。
 娘と2人車で出かけている時、車道のセンターラインに一匹の犬が倒れていました。たまにある光景なので、私は横目で見ながら通り過ぎていきました。
 娘 「お父さん今の見えなかったの。」
 私 「犬が車に轢かれてたみたいだね。」
 娘 「お父さんひどい、かわいそうだと思わないの。」
 私 「かわいそうだけど、もう屹度死んでるよ。」
 娘 「死んでるかもしれないけど、あそこにいたら、また車にひかれるかも 
      しれない、そしたらもっとかわいそうだよ、お父さんなんとかしてよ。」
   私 「でも、袋も箱も積んできてないし車には乗せられないよ。」
   娘 「袋や箱は、その辺のお店やさんでもらえばいい。とにかくあのまま
       にしないでよ。」
 
 ふと娘の顔を見ると、いつになく真剣な表情でした。この暖かい思いを無駄にしてはいけないと思い、近くのコンビニに行き、事情を説明してビニール袋と段ボールを分けてもらい、倒れた犬がいた場所まで車を走らせました。
 車を道路脇に停め、犬のところまで行ってみると、やはり息絶えていました。その犬の姿を見た娘は、
「かわいそうだよー。」
と叫びながら、しゃくり上げて泣き出しました。
 段ボール箱に犬を寝かせ、歩道の大きな木の根本にそっと置き、「神様のところにちゃんと行けるように2人でお祈りしようね。」と言って合掌していました。すると自転車に乗ったご婦人が、手を合わせている私たちを見て、
「どうしたの、車ではねちゃったの。」
と声をかけてくれました。私がそのご婦人に経緯を話すと、
「おねえちゃん、おりこうさんだね。おばさんがその犬を家に連れて行ってちゃんと神様のところに行けるようにしてあげるからね。心配しなくてもいいよ。」
と言って自転車の荷台に乗せてくれました。ご婦人の暖かい心に胸を打たれ二人でお礼を言い、我が家へ戻りました。

 帰りの車の中で「あのおばさん優しかったね。きっとあの犬、神様のところに行けるね。お父さんありがとう。」と娘に言われた私でしたが、本当は私が娘に言うべき言葉でした。娘の一言で、私の心が動かされ、通りかかったご婦人からも暖かな愛を受け、私達の行為が報われた体験でした。
 
                             (平成18年10月3日記)
                               

 
++解説++

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