
生長の家栄える会会長 中村 全博

皆様、ありがとうございます。(拍手)
平成21年4月1日に生長の家栄える会会長という大役に任命されまして、今日まで毎日が勉強の日々を過ごさせていただいています。
本日は短い時間ではございますが、この宇宙が一つの心でできており、万物は一つのいのちに結ばれているということを話したいと思います。
リーマンショック以来、本当の幸福とは何か、本当の繁栄とは何かを考え求めている人が沢山いらっしゃると思いますが、なかなか幸せになれず、繁栄できない人々が多い。
その原因は主として2つあると思います。1つは、幸福とは如何なるものかを知らない人が多いこと。2つ目は、「心の法則」を知らない人が多いということです。
生長の家では、この世界は、心に描いたとおりのものが現れると教えています。この心の法則を知らずに人生を過ごしていると、必ず出て来るのが人生の四苦八苦であります。
四苦とは、「生老病死」(しょうろうびょうし)の四つであり、八苦とは生老病死の四苦に次の四苦を加えた苦しみをいいます。先ず「求不得苦」(ぐふとくく)、求めても求めても得られない苦しみ。そして、「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)、私達の目、耳、鼻、口、皮膚の五官から出て来る「欲しい」という執着心、それが得られない苦しみ。さらに、「怨憎会苦」(おんぞうえく)、憎み嫌っている人、会いたくない人に会わねばならない苦しみ。職場が同じだったりすると辛い。私も体験しました。そして、「愛別離苦」(あいべつりく)、恋人や肉親、愛している人と別れなければならない苦しみです。
これらは人類が避けて通れない人生の苦しみと言われ、その苦しみから人類を救おうと、釈迦、キリストを始め、様々な聖人、宗教が現れました。
私は小樽にある寿司屋の2代目で、しばらく東京で修行をして、父の経営する寿司屋を継ぐために小樽へと帰りました。ところが性格が短気で喧嘩っ早く、よく喧嘩をしておりました。
その事の起こりは私が中学時代、父が弟を叱った時に、反抗期だった私は父に反抗し、母が「謝りなさい」と言うけれども謝らず、それ以降、父との不仲が30年も続いたのです。
そのような状況でしたから何もかもがうまく行きません。板前さんとも一触即発の間柄となってしまいました。彼は私に全然挨拶しませんし、長い間睨み合いが続いたのです。新年会の時に彼にビールを注ごうとしたら、彼がパッとコップを避けたので、とうとう彼を殴ってしまいました。また、女房とも喧嘩をして、女房も家を出ようとしたことがありました。兄弟とも喧嘩し、気がつくとお客様とも喧嘩をしていました(笑)。そんな状態の時に生長の家の御教えを伝えられたのです。
このように周りと不調和のままで経営を続けていましたから、頑張っても頑張っても売り上げがどんどん落ちていきました。
1970年代に起こった第1次オイルショックの時は、店を大衆化するという戦略で何とか乗り切りましたが、第2次オイルショックで売上げがまたガクッと落ち、とうとう赤字に転落です。毎日酒を飲んで気を紛らわしていました。
丁度その頃に、栄える会に入会するよう勧められ、「何かがあるかも知れない」と思って入会したのです。ところがその頃は、まだ真理を知りませんから、「栄える会に入れば売上げが上がるだろう」などと考えていましたがとんでもありません(笑)。どんどん落ちていきました。
当時私は、教化部で行われている早朝神想観に時々通っていまして、ある日、同じ小樽教区の上野弥吉講師に、「中村さん、あなた、誰か恨んでいるでしょう」と聞かれたので、「恨んでいるなんてものじゃないですよ。その人のことは絶対に赦せません」と答えますと、上野講師はニコニコしながら、「それは赦せばいいのですよ」とおっしゃいました。けれども、私はどうしても赦す気になれませんでした。
ところが、さらに上野講師に、「赦せば変わりますよ。あなたの心の習慣が同じ心の傾向の、人、物、事を集めてきて、あなたが環境を創っているのですよ」と言われ、びっくりしました。そこで、「どうしたらいいのですか?」と訊ねますと、「あなたは、ギターを弾くでしょう。ギターは練習すれば上手く弾けるようになるでしょう。それと同じで赦す練習をすればいいのです」と教えられました。
それで上野講師に、毎朝5時半からの教化部の神想観に21日間通うこと、「ありがとうございます」と1日1万回唱えること、この2つを約束して帰りました。寿司屋ですから、寝床に就くのは夜中の2時頃です。それでも4時には起きて教化部に通い、神想観を真剣に行じ、21日間やり通しました。(拍手)
そして笑いが大切ということも学びました。大学時代は良く笑っていましたけれども、いざ職場に入り、板前さんと不仲になると笑えなくなりました。憎んで憎んで笑いなんて消えていました。それがある時、生長の家講習会に行き、小さなスーパーの店長さんが、隣に大きなスーパーができた時に、毎日大いに笑ったら大成功したという(笑)体験談を聴いたのです。「笑いで繁盛するなんてそんな馬鹿な」と思ったのですが実際の話なので、私も実行してみました。
始めは朝礼で私が笑っても、皆睨み返して笑わない(笑)。でも一週間経ったら、皆思い切り笑ってくれるようになりました(拍手)。要するに、自分の心を変えて行けばいいのです。
金持ちに2通りあります。プアな金持とリッチな金持ちです。
プアな金持は、財産を目当てに稼ぎ、お金が全てだと思っています。だから大邸宅に住み、高価な服を着ていても、頭の中は将来への不安と周りの人への不信感で溢れています。それに対してリッチな金持ちは、人生を思いのままに生きるために、可能性の開発を惜しみません。また、お金は道具だと思っていますからなくても大丈夫。もっと人が喜ぶことはないか、もっと地域にお役に立つことはないかと絶えず考えていて、とても心が豊かです。だから人も物も良きアイデイアもどんどん集まって来る。
では、「繁栄の原理」とは何でしょうか?谷口雅春先生は、『新版 生活と人間の再建』の52∼53頁に次のように書かれています。
二十世紀になってからも人類の最大の発見は事物の根底に横たわるものは単なる物質ではなくして、「想念」であるということの発見であるのである。新興物理学の進歩に従って物質は結局「無」なるところのエーテルのうずまきにすぎないということが発見され、かくてそのエーテルを動かしているところの力は、「形のない知性的エネルギー」であるということが発見されたのであって、知性的エネルギーとは即(すなわ)ち想念に外ならないのであるということが発見されたのである。
(後略)
この図を見ていただきたいのですが、本当の私達は、一番上に書かれている実相体です。それは神の愛と智慧と生命そのままの完全円満体です。次の霊体は、理性や知性を司り、幽体は感情を表します。エーテル体は感情の暴発を防ぎます。その下に、あるいはその外側に物質、肉体の世界があります。
肉体は実相世界の愛を現すための道具であり、心、即ち想念も道具なのです。私達は自分の想念で、境遇、環境を創るのです。それが「心の法則」です。“類は類を呼ぶ”という心の法則によって、現象界に色々なものが現れて来るのです。
大切なことは、私達は常に現象からものを見るのではなくて、実相の方から観なければならないということです。例えば、「あのウエイトレスは言葉遣いがまずいから直そう」「この病気を治そう」などと目の前に現れている状態をそのまま見て、それを直そうとしても駄目なのです。繁栄もそうです。「お金がないから増やそう」では駄目です。繁栄は実現しません。「お金がない」という状態を描いた段階で、心に描いたものと同じ状態が現れてしまうからです。
必ず、実相(神)の方から物事を観て心に描くことが大切です。「既に豊かであり、健康であり、ありがたい」「あの子は本来素晴らしい子だ」と。するとその想念、意識に共鳴して、心に描いたものが現れるのです。原理はこれなのです。だから私達は、肉体や想念という道具を使って、実相世界にある調和した愛の姿、幸福や繁栄、平和といった姿をこの世に現して行こうという運動をしているわけです。(拍手)
私の場合は、非常に憎んでいた板前さんがいてくれたお陰で、その人と如何にして調和するかという、明確な問題意識を持つことができました。そして、問題に感謝して取り組むことによって、自分の魂を生長させることにもなったのです。
そして板前さんと調和した時に、周りが皆私の方を向いてくれるようになりました。「店長の言う通りだ」というわけで、全員が調和して店の経営ができるようになりました。(拍手)
そのような中から、全国に先駆けて、共存共栄の経営を目指そうと、「小樽寿司屋通り会」を作ることになりました。初めは5軒の寿司屋から始まりました。
そうしたら、それまで年間350万人だった観光客が950万人に一挙に増えて、連日大勢のお客様が訪れるようになりました。
また、父とも和解ができて、店の売上もそれまでの20倍になりました。(拍手)
今では店の従業員も皆一緒になって、「ありがとうございます」と唱えるようになり、三正行、主に神想観を実修し、また年に1度ではありますが、小樽教化部で開かれる練成会に参加して浄心行を行っています。
何か問題があったら、絶対に現象を見て直そうとしないで、自分の心を顧みて、心の波長を神様に合わせること。そして、問題に気づき、自分の心を訓練して、本来の素晴らしい姿をイメージする。この3つでいいんです。
さらに、最近では、生長の家総裁・谷口雅宣先生が右脳と左脳の働きについてお書きくださった『太陽はいつも輝いている』を拝読し、右脳を訓練することの大切さを学び、その訓練のために絵を描くようになりました。ここで何枚か紹介させていただきます。
絵を描くようになってから、自然の美しさや事象の奧にある深い意味に気づくようになり、心が豊かになりました。(拍手)
私共の店では、お客様に“絶句レベル”の感動を与えようと、6段階の感動のレベルを設けています。低い方から、だめレベル、当たり前レベル、一味違うレベル、お客様から「まいった!」と言われるほどのレベル、「凄い!」レベル、そして最後が、「絶句レベル」です。ですから毎日がお客様に対する愛と、アイディアと、奉仕の連続です。
私は、先祖供養は勿論、両親へ心から感謝し、そして妻や子供、社員、ご縁のある全ての人々、そして栄える会の役員の方々の顔写真を拝見しながら、祝福の祈りを実修させていただいています。この行を通して、栄える会の会長の本質は、皆さんを祝福し、祈ることだと気づかせていただき、今日があります(拍手)。
さて昨今は、地球環境の劣化が叫ばれており、私も神谷光?前会長のお話を聴いて、行動を起こさなければと思いまして、宮脇昭横浜国立大学名誉教授が、植樹する木の混植、密植によって、300年掛かると言われている森が、わずか30年でできると提唱されていることを知り、「“北海道”千年の森プロジェクト」という植樹(植林)活動を始めました。(拍手)
企業はもとより、官公庁や教育界にも声をかけ、1回目は2007年8月に長橋小学校の生徒達をはじめ362名の皆さんと一緒に1,200本の苗木を植えました。2回目は2008年6月に1,300名の皆さんと5,000本を植樹し、3回目は2009年7月に5,000本を1,026名の皆さんと一緒に植樹しました。年々、大きな活動へと生長しています。(拍手)
人類は21世紀に入って、今までの人間中心の世界から、「この世界の全てはひとつ」ということにやっと気づき始めています。動植物、鉱物も、全ては神様の生命の現れとして、これを大切にし、自他一体の心で愛を行じることが大切です。「愛行こそは我が使命」と聖歌にありますように、我々栄える会の会員も、ご縁のある全ての方に、そして地域社会に愛を行じて行きましょう。
愛行には3つあります。先ず物施。これは物質を与えるだけでなく、真理を現そうと努力している人や団体を応援することです。次に身施。自ら三正行など真理を行じていくことです。そして法施。真理を知らない人に真理を伝えて、共に行動することです。
この愛行をとおして神様の生命の現れである尊い地球環境を守り、子孫に“美しい地球”を遺してまいりましょう。それとともに地域社会に生長の家の御教えを伝え、皆さんが真の繁栄と幸せを実現できるように、愛を実践する私達になって、栄える会を盛り上げつつ、人類光明化運動を力強く進めて行きたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)