WEB版母親教室,幸せな子供の育て方

2020.04「子育てで一番大切なこと」「子供は宝物(さずかりもの)」

2020年5月9日  

テキスト 谷口雅宣先生著     『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』

     谷口純子先生著     『46億年のいのち』

     谷口清超先生著     『父と母のために』

希望に満ちあふれ、新学期を迎えるはずの4月ですが、このたびのコロナウイルス感染拡大の影響で、不安な毎日を過ごされている方も多いのではないかと思います。

ですが、今まで、忙しくゆっくりと家族や子供と向きあえていなかったとすれば、この期間は、家族の温かいつながりを大切にして、夫婦、親子の絆を深めるよい機会かもしれません。今月は、「子育てで一番大切なこと」「子供は宝物」です。

「人間は神の子」、いのちとの出会い

「よくぞ生まれてきてくれましたね」、初めて我が子を抱いたとき、母親であればきっと誰もがそう思ったに違いありません。

今では、子供がお母さんのお腹の中で成長している様子も、エコーで見ることができ、男の子か女の子かもわかる時代ですが、生命の誕生は、人間智では、はかり知れない大変、神秘的なものです。

異種の血液が胎盤を通してお母さんと赤ちゃんとが、大切なものをやりとりしながら大きくなり、十月十日ほとんど、すべての赤ちゃんが同じプロセスを通してこの世に生まれてくることは、ほんとに不思議です。

胎内にいる赤ちゃんは、物質的栄養補給だけで、誕生し成長するわけではありません。胎児は、人間の力の及ぶところのもではなく、計り知れない偉大なる神の生命が天降って、人体を形成していきます。目に見える物質世界のことだけでは、人間の生命そのものの、ほんとの尊さは説明できるものではなく、神さまの愛に包まれ守られて、この肉体を持って、地上に誕生します。そしてその肉体も自分で作ったわけでもなく、父母が作ったわけでもありません。髪の毛一本も目も心臓も手も足も自分で作ったものはあるでしょうか。肉体をもってしても、奇跡のような存在です。私たちは、生まれたその時から、どれほどの豊かさを持っているのでしょうか。それはいくらお金を出しても買えるものではありません。

生長の家総裁・谷口雅宣先生は御著書『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』の中に次のようにお示し下さっております。(8~9頁)  

私の肉体は物質ではなく、あなたの愛の表現であります。その肉体が私の意識によらずとも呼吸し、心臓を動かし、血液を通して栄養を体内の隅々まで送り、消化し、異物を取り除き、休息し、新しい細胞を生み出し、古い細胞を掃除し、老廃物を体外へ出してくれます。この精緻・複雑、微妙にして調和がとれ、かつ安定した働きこそ、あなたの無限の愛の表れであります。私はただ、その愛の結晶であるわが肉体を受け入れ、それに乗って神の愛を生きるのであります。あなたの御心を行じるのであります。

この「生かそう、生かそう」とする不思議な意志の力のもとのもとを「神」とか「仏」といい、この肉体としての存在の奥にある生命そのものの素晴しい存在を「神の子」といいます。そして、その神さまの知恵と愛と生命があふれる生活を送ることが、「神の子」の使命であり生き甲斐です。

子供は宝物、そんな気持ちで子育てを

子供を産むのは母親ですから、つい、子供を自分の所有物のように思いがちですが、人間は神様からの「さずかりもの」ということがわかると、子供に対して敬虔な気持ちで、「よく私たちのところに生まれてきてくれましたね、ありがとう!」という感謝の気持ちを持つことができると思います。親が子供を愛するのは当たり前ですが、その「愛」の根本は、神の子の神性を礼拝するということです。特に幼い子供にとっては、親の愛が目に見えない「生命の糧」となって、健やかに育っていきます。

もし、「まだ、子供はいらない」と思って、生まれてこようとした、いのちを拒絶しておいて、生まれてきた子供だけを大切に育てようと思ってもそれは、うまく育っていきません。

人間の誕生は、卵細胞と精子との偶然の出会いによって、自然に大きくなって、母体内からポンと出てくるという単純なものではないのです。科学技術や医学の発達によって、生まれる前から、性別や五体満足であるかわかる時代となって、子供の誕生を選んだり、親の都合で大切な命を絶ってしまうというケースもあることは、とても残念なことです。子供のいのちは、お父さんとお母さんを通して、この肉体を持って生まれてきますが、そのいのちは、人間である父母が勝ってに作ったというものではありません。

お父さん、お母さんの誕生にはそのお父さんお母さんがあり、そのまた…と先祖をたどっても、その先には同じようにご先祖さまがいらっしゃり、そのいのちは神のいのちに繋がって、一番ふさわしい父母のもとに生まれてくるようになっています。突然ポンと我が子として出現したわけではありません。そして、それぞれ親と子は、別々の魂ですから、親といっても、子供を所有物だと思ったり、親の思い通りにすることができるものではありません。

子育てにおいて、親がどんな気持ちで子供を迎えるか、また成長の過程において子供をどう観るかが、何より大切なことですが、その根本には、親自身が自分をどう観ているかということがあります。親自身が自分の本質は「神性」であり、神の子であるということを自覚することができると、どんな子供の中にもこの尊い「神性」が宿っているということを信じることができます。

生長の家前総裁・谷口清超先生は、御著書『父と母のために』の中に、次のように書かれています。(14~16頁)

現象には何が現れるかというと、かりに認めたものが、認めたように現れてくる。つまり自分の息子を「馬鹿な子だ」と認めれば、認めた通り、いつまでも「馬鹿なことをする息子」として現れてくるのです。

「そんな馬鹿なことが……」と思われるかもしれませんが、事実そうなるのだから、仕方がない。人間にはすばらしい力があり、「思う自由」があり、かつ又「表現の自由」がありますから、かりに非実在のこと、つまりナイことでも、アルと思ってそれを認めると、その姿が現象に現れてくるのです。(中略)

 子を信じてあげる第一人者は、その父であり母でなくて、他に一体どんな人がいるというのでしょう。

親が、子供を「うちの子はなんでこうなの」などといって、現象の悪いところに引っかかって、それを認め、いくら良くしようと思ってみても「この子はこういう子」と心の底から信じているとその通りになってしまいます。認めたら、認めた通りに現れるという、「心の法則」が働くからです。それは同時に、「認めないと出てこない」ということでもあります。ですから、「わが子は神の子」という思いを深めて、今、現れている良いところを言葉で「認め」「讃嘆」し続けていくと、それが、コトバの力となって、お母さんの信念となり、良いところがどんどん現れてきます。たとえ、今はできていなくても、「あなたは、もともとすばらしい力をもっているから、大丈夫、頑張りなさい!信じている!」と何度でも言って、心から応援してあげるといいですね。子供の心に自信を持たせてあげることは、人を信じる力、自分を信じる力となって、子供が生きていくうえで大きな力になります。

人間関係を大切に、共に育てる

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は御著書『46億年のいのち』の中で次ぎのようにお書きくださっています。(54~57頁)

 乳幼児は母親だけでなく、複数の大人と接することのできる環境が能力の発達に有効だといわれている。けれども核家族化の進んだ現代では、現実的に複数の大人と日常的に関わることは無理な場合も多い。そこで父親の役割はとても大切だ。(中略)

子供を産むという女性の特性は育児や家事のような細かな配慮のいる仕事に向いている部分は確かにある。けれどもあるカップルに焦点を当てると、必ずしも一律に女性は家事、男性は外に出て仕事とはいえないし、現実に夫婦共に働いている場合も多い。それぞれのカップルが、お互いの得意な分野で能力を発揮し、協力しながら家庭を築き、子育てをしていくことが自然である。さらに命を生み出す性である女性は、「命に敏感」すなわち命を大切に守り育てたいという思いが強いのだ。このとことは、大変重要で、その特性が社会のあり方にあまり反映されてこなかったのではないかと思う。

子供を取り巻く環境は大きく変化し、核家族化の進んだ現代では、子供と母親と二人だけで人付き合いがないと、不安が強くなり、いらだちが強くなり、疲れやすくなる傾向にあります。育児に関しては、育児を手伝ってくれる夫がいることは、母親のいらだちや疲れを癒やしてくれるかもしれませんが、夫との会話も少なく、相談する人もいないということになると、育児不安になってしまうケースもあります。人間関係が豊かな人は、育児にも不安や疲れを感じにくいものです。ご主人とのコミュニケーションを大切に、子供を大切な宝物として、夫婦力を合わせて共に育てていくことは、子供の健全な発達によい影響を与えます。

子供は父母への信頼感、安心感があってこそ、よい人間関係をもって、生きていけま

す。生長の家の母親教室にご参加くださいますと、あなたは一人ではなく、多くの仲間の「大丈夫よ!」という言葉で、きっと心が明るくなることでしょう。

●倫理的な生活・子育ての中の「食」の大切さを伝える

✤マイバック・マイボトルを持ちましょう

今、世界的に問題になっているのが、プラスチックゴミです。

私たちの周りにあるプラスチックゴミは、燃やすと有害物質を発生させ、また知らないうちに、動物のいのちを傷つけたり、海に流れ込みマイクロプラスチックとなって溜まりつづけています。地球環境に影響を及ぼすことはもちろんですが、それはやがて、食物連鎖という形で私たちの身体に入ってくることになります。子供たちの未来のために「つい」「うっかり」という意識から、もう一度マイバック・マイボトルを持ち歩くことを習慣づけましょう。そしてできたことを『日時計日記』に記録し、小さなことでも大いに自分を讃嘆しましょう!きっと、気持のよい一日になります!!

✤子供と向き合って楽しくご飯を食べる

今まで、子供と一緒にご飯を食べる時間がなかったかもしれませんが、この度のコロナの影響で、もしかしたら、子供とじっくり向き合える時間が与えられたかもしれませんね。共に過ごせる時間を大切に、一緒にご飯を作ったり、お弁当を作って、庭やベランダでランチをしてみるのもいいですね。子供との今の時間を大切に、楽しんでみましょう。笑顔のあふれる食卓は、子供のやる気や生きていく力のもとになります。

 さて、今月の普及誌「白鳩No121」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。